武蔵エナジーソリューションズが提案するMixed Power Supply System (後編)
2022年3月18日、第12回[国際]スマートグリッド展にて、武蔵エナジーソリューションズ株式会社の中島が「武蔵エナジーソリューションズが提案するMixed Power Supply System」をテーマにセミナーを行いました。
本ブログでは、セミナー内容を抜粋してレポートする後編になります。前編はこちらを御覧ください。
セミナーの動画はこちらから御覧になれます。
前編では、カーボンニュートラル実現に向けて再生エネルギーを活用する際の課題、それに対するソリューションの一つとして、ハイブリッドスーパーキャパシタを用いた工場エネルギー管理システム(FEMS)のコンセプトを説明させて頂きました。今回の後編では、その具体的システム構成について詳しく説明させて頂きます。
ムサシの提案するMixed Power Supply System
上の図が、前編で説明したコンセプトを盛り込んだFEMS構成になります。
中央をDCバスで構成し、系統電源、太陽光発電、蓄電池をコンバーターを介して繋げます。インバーターで交流に変換し、工作機械に電力供給します。ムサシの提案するFEMSではDCバス部分にハイブリッドスーパーキャパシタを繋げたことが最大の特徴になります。
この構成にて実際に開発を進めています。
具体的には、
- 蓄電池とDCDCコンバーターを組み合わせたLIB盤の部分
- 太陽光発電のパワコンに相当するPV盤
- ハイブリッドスーパーキャパシタやEMS、インバーターを組み込んだ制御盤
という三つのパーツをもつFEMSの開発しており、ベータ版のサンプル提供も開始しております。
この開発中のFEMSの入出力容量は、蓄電池、太陽光発電ともに約10kWです。負荷出力は連続容量は10kVAですが、瞬間的には45kVAまで対応できます。これにより突入電流や瞬時電流が発生するような負荷に対しても、安定して電力を供給できるシステムになっています。
プロトタイプでの評価結果
プロトタイプでの評価結果が上記になります。
右上に示す工場負荷電力では、大電力が瞬間的に発生しています。これに対し、左下に示す蓄電池の放電電力には、瞬間的な放電電力の増加がみられないことが確認できます。瞬間的な負荷電力はハイブリッドスーパーキャパシタで吸収していることが中央に示すハイブリッドスーパーキャパシタの測定結果からがわかります。このようにコンセプト通りの結果が実際に確認できています。最大で45kVAの負荷電力が発生していますが、ハイブリッドスーパーキャパシタを搭載することで、蓄電池からは10kVA分の出力だけで稼働できるシステムになっています。
マイクログリッドへの展開
FEMSでは、負荷は工場内で使っている工作機械になります。このシステムを拡張し、工作機械ではなく地域へ電力を供給することでマイクログリッドへの展開が可能になります。
現在ムサシは、経産省の補助金を用いて、豊橋市にマイクログリッドへの導入プラン作成事業に応募しています。ハイブリッドスーパーキャパシタを利用して、安定した供給電力供給をマイクログリッドまで拡張しています。
ムサシのマイクログリッドは、平常時、発電した電気を自社内で使用し、自家消費の最大化を目指します。非常時には、周辺地域に電力を供給します。工場で発電した電力を地域の皆様に供給することで、地域コミュニティに役立つマイクログリッドとなっています。
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