用語集

エネルギー・キャパシタ関連の用語集

正極

正極は、リチウムイオン電池やスーパーキャパシタなどの電気化学デバイスにおいて、エネルギー変換の中心的役割を担う重要な構成要素です。高性能な正極材料の開発が、次世代蓄電技術のブレークスルーにつながると期待されています。

リチウムイオン電池の正極では、層状酸化物や olivine 構造を持つ材料が主流です。NMC(ニッケル・マンガン・コバルト)系やNCA(ニッケル・コバルト・アルミニウム)系の高容量材料が、電気自動車用途で注目を集めています。

高電圧正極材料の開発も進んでおり、5V級のスピネル構造材料やリチウム過剰系材料が研究されています。これにより、電池のエネルギー密度の大幅な向上が期待されています。

ナノ構造制御技術の進歩により、正極材料の性能が飛躍的に向上しています。ナノシート構造やコアシェル構造を持つ材料が、高出力特性と長寿命化を実現しています。

最近では、コバルトフリー正極材料の開発が加速しています。資源の有効利用と環境負荷低減の観点から、鉄やマンガンを主成分とする材料が注目されています。

さらに、全固体電池用の正極材料開発も進んでおり、硫化物系固体電解質との高い界面安定性を持つ材料が探索されています。

正極材料の革新は、持続可能なモビリティ社会の実現や再生可能エネルギーの大規模導入に不可欠であり、材料科学と電気化学の融合による更なる進展が期待されています。

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