重量物を扱い、24時間稼働が必要な無人搬送車(SDV・AGV)における活用
対象業種
- 【製造業全般】自動車・自動車部品・情報通信・社会産業・電子装置・建設機械・高機能材料・生活関連の製造業
- 【ロボットメーカー業】産業ロボットメーカー・搬送ロボットメーカー
- 【サービス業】ホテル・大型レストランなどの観光・レストラン業・ショッピングセンターなどのリテール業
- 【物流業】配送業・倉庫業・物流センター等ロジスティクス業界全般
- 【医療】病院内の食事搬送、定期ルートで人を搬送する車椅子などを製造する福祉用具メーカー
- 【その他】ロボットSIer企業
課題と背景
現在市場にある無人搬送車(SDV「Self Driving Vehicle」や AGV「Automatic Guided Vehicle」と呼ばれます)は電源をリチウムイオンバッテリで補っています。しかし、無人搬送車を稼働させるリチウムイオンバッテリの場合、3~6時間稼働するバッテリのフル充電に1.5時間が必要となります。
また、放電後は、充電と予備バッテリへの載せ替え作業が発生します。8時間稼働で検討した場合には、予備バッテリは最低2個、載せ替え作業は1回。24時間の場合は載せ替え作業が4回発生することになります。また充電残量の管理なども必要となってきます。
倉庫や工場内などで、重量物を搬送するためには高い出力が必要となり、リチウムイオンバッテリを利用する場合はバッテリ搭載数が増加するというデメリットもあります。
そこで、ハイブリッドスーパーキャパシタを活用することで、高出力かつ急速充電を可能にすることができます。
ハイブリッドスーパーキャパシタ(HSC)の特徴と技術的優位性
ハイブリッドスーパーキャパシタは、高い入出力特性、急速充電、長寿命という特徴を有しており、SDV・AGVに必要な要件を満たすことができます。
高出力
- 重量物をリフトアップする際の高電圧を出力
- 角形1セルで動作電圧(3.8V)、充放電(~1200A)が可能
- 同出力のリチウムイオンバッテリ(LIB)より小型化を実現
急速充電
- 短時間で充電可能、要領の80%まで20秒で充電ができるため、一度搭載するとバッテリの積みなおしの手間や充電待ちの時間ロスを削減可能
- ハイブリッドスーパーキャパシタ(HSC)は充電しながらも作業できるので、作業ポイントに充電ステーションを設置すれば、予備バッテリなし、載せ替え作業無しで24時間稼働が可能
長寿命
- リチウムイオンバッテリ(LIB)と比較し、15倍の寿命、ライフサイクルも100万サイクル以上と長いためバッテリ交換工数、予備バッテリコストを削減可能
軽量化
- 鉛電池やDELCから置き換えることで電池スペースを削減し、重量も低減することが可能
蓄電デバイス比較表
ハイブリッドスーパーキャパシタ(HSC) | リチウムイオン電池(LIB) | 電気二重層キャパシタ(EDLC) | 鉛蓄電池 | |
---|---|---|---|---|
電圧 | ◎ | ◯ | △ | △ |
エネルギー密度 | ◯ | ◎ | △ | ◯ |
安全性 | ◯ | △ | ◯ | ◯ |
寿命 | ◎ | △ | ◯ | △ |