小型自動運転バス・モビリティにおける活用
対象業種
- 【研究機関】研究所、大学
- 【製造業】自動車製造メーカー、輸送機器メーカー
- 【観光・旅客業】バス運営会社 空港運営会社、観光業
課題と背景
少子高齢化による労働力不足に加えて、新型コロナウイルスの影響で非接触型のサービスがも注目される中、小型バスなどの交通モビリティ分野でも、自動運転技術への関心が高まっています。また、脱化石燃料に向けた世界的な流れとして、電気を駆動エネルギーとするモビリティの需要も高まっています。
一方で、現在主流のリチウムイオン二次電池を使ったバッテリー電気自動車(BEV)は、一回の充電時間が長い上に、電池寿命も比較的短いため、長期間運用していくためには定期的にバッテリーを交換する必要があるなど、多くの課題も存在します。
また、リチウムイオン二次電池は、電極材料にリチウムやコバルトなどの希少金属を使っていること、そしてリチウム自体は枯渇の心配は薄いものの、採れる場所が南米や豪州、中国に偏っていることなど、いずれも世界的な需要増に対する枯渇や価格上昇の潜在的リスクを抱えています。
特にコミュニティバスや、空港の送迎バスなど、決まったルートを走る車両にハイブリッドスーパーキャパシタを搭載する場合、駅など車両が停止する位置に非接触給電装置を設置すれば、長時間の連続運転が可能となり、長時間の充電のために車両が使えなくなるケースが圧倒的に少なくなります。
ハイブリッドスーパーキャパシタは、上記のような「ちょこちょこ充電」が成立するのに十分なエネルギー密度を持ち、また充放電回数が増えてもハイブリッドスーパーキャパシタの電池寿命は長いので劣化によるバッテリー交換などの必要性がほとんどないのが利点です。
また、リチウムイオン二次電池のように、希少金属を使わないので、資源枯渇問題や価格リスクも想定的に抑えられます。
さらにハイブリッドスーパーキャパシタは、長寿命で高い信頼性があるので、非常時の安全停止などのためのバックアップ電源としても活用可能です。
ハイブリッドスーパーキャパシタ(HSC)の特徴と技術的優位性
ハイブリッドスーパーキャパシタは、高い入出力特性、急速充電、長寿命という特徴を有しており、小型バスなどのモビリティにおいて必要な要件を満たすことができます。
高い入力特性
- ハイブリッドスーパーキャパシタの特性として、小型バスを一定距離走らせるために大電流で急速充電してもバッテリーの劣化が少ない点があります。
急速充電
- 短時間で充電可能、要領の80%まで20秒で充電ができるため、一度搭載するとバッテリの積みなおしの手間や充電待ちの時間ロスを削減可能
- ハイブリッドスーパーキャパシタ(HSC)は充電しながらも作業できるので、作業ポイントに充電ステーションを設置すれば、予備バッテリなし、載せ替え作業無しで24時間稼働が可能
長寿命
- 短い間隔で頻繁に非接触充電や放電を繰り返してもバッテリーの劣化が少なく、バッテリー交換の頻度が大幅に抑えられるというメリットがあります。
蓄電デバイス比較表
ハイブリッドスーパーキャパシタ(HSC) | リチウムイオン電池(LIB) | 電気二重層キャパシタ(EDLC) | 鉛蓄電池 | |
---|---|---|---|---|
電圧 | ◎ | ◯ | △ | △ |
エネルギー密度 | ◯ | ◎ | △ | ◯ |
安全性 | ◯ | △ | ◯ | ◯ |
寿命 | ◎ | △ | ◯ | △ |